さよなら座間味 1999年5月24日



 座間味最後の朝が来た。
 「淋しいねェ」ともらして、オーナーも朝から落ち着きがない。
 朝食を済ますと我々は荷造りに取りかかる。

 BCを裏返してそのなかにウエットを敷き、レギュ、ゲージ、フィンなどを包み込んでBCのベルトで留めて一丁出来上がり。ウエットはまだ乾ききっていなかったが仕方がない。すきまに衣類やら小物やらを詰め込んで行く。ワイフの器材と二人分のパッキングをしていると汗が滴(したた)り落ちる。

「ボートで追いかけるからデッキに出とってください」
サービスでの別れ際、オーナーが言った。
N美ちゃんの1本目に出るボートの時間を我々の帰りの「クイーン座間味」に合わせてくれるらしい。

「クイーン座間味」の出発時刻に合わせてスタッフのツネさんが港まで送ってくれた。
やがて午前10時5分発の高速「クイーン座間味」がやってきた。

船に乗り込むと約束どおり2階のデッキへ出る。
やがて出航の時刻が来て、「クイーン座間味」がゆっくりと岸壁を離れて行く。
ツネさんがいつまでも大きく手を振ってくれている。


船が完全に岸壁を離れ、向きを変えて走り始めたころ、N美ちゃんを乗せてオーナーのボートが追いかけてきた。ビデオを回しているオーナーの姿がハッキリと分かる。N美ちゃんが構える一眼レフのシャッターを切る音も聞こえてきそうだ。

さよなら、オーナー。
さよなら、座間味。

そんな思いを振り切るように「クイーン座間味」は速力を上げ、やがてオーナーのボートも今日のポイントへ向かって去って行った。