ギナザキと大浜(ウハマ)(2001年5月22日)



予定では午前9:30に港へ出発だったのだが、今朝の「クイーンざまみ」で2人来るので出発は午前10:40分に変更になった。
天候は曇り、気温27℃。気を持たせるかのように時折空が明るくなるのだが直ぐに黒い雲に覆われてしまう。
いつも利用するスーパー105は従業員の慰安旅行とかで今朝は店を開けていない。各自今日の昼ご飯を用意して船に持って行くように言われているので、港の近くのハンバーガー屋「パーラーざまみ」でおにぎり2個パックの弁当を買ってきた。

「クイーンざまみ」でやってくる女性2人組のゲストを待っている間、オーナーが去年から飼い始めた九官鳥のカン太と遊んでみた。
「ハロー」「ホーホケキョ」「クラ~イ」「コンニチハ」
カン太はとにかく良く喋る。
そばでシベリアンハスキーのラヴが、うるさそうにこちらを見上げる。

全員が揃い、いよいよ「今年」の1本目に向かう。
港に着くといつものように全員で軽くストレッチをして体をほぐし、ボートに乗り込んだ。
ワイフともども今年初めてのダイビングなので、緊張気味。

1本目:ギナザキ

ポイントに着きオーナーからブリーフィングを受けて、いよいよエントリー。
集合は舳先(へさき)から海底へ降ろしたアンカーロープの先。
うちのHPを見て座間味へ来たというOさん、そしてワイフがバックロールで入るのを見届けて、自分はジャイアントでザブーンと入る。
ボートからビデオカメラを手渡してもらってアンカーロープ沿いに潜降して行く。
ヘッドファーストで潜降して行くと、ブーツの中で空気の泡が踊っていてくすぐったい。

-8mで着底してガイドのチーちゃんを先頭にゆっくりと移動を開始した。
今日は天候のせいと思うがいつもより海の中がやや暗い。

移動を開始して直ぐに2匹のハナビラクマノミの出迎えを受けた。グリーンがかったイソギンチャクを出たり入ったり。
我々が巨大生物に見えているのだろうか、何度も威嚇してくる。
少し行くと今度はクマノミのコロニーだ。大きいのから細かいのまで6匹のクマノミがチョコチョコしている。
夜のロギングの時に聞いたのだが、この6匹は家族ではないらしい。一番のオチビちゃんは1cmくらいの大きさだ。
ちょっとしたサンゴにはリュウキュウスズメダイがちょろちょろしている。ワイフが岩の隙間に潜りこんだエビの写真を撮ろうと苦労している。

と、チーちゃんが左の崖の方をじっとビデオで撮影している。その方角を見ると50cmはありそうな大きなケショウフグが左から奥の方へとスーっと泳いで行った。
こんもりとした根にはエダサンゴがびっしりとついている。フエフキヤッコがうろうろしている。

またしばらく行くとワイフとチーちゃんが一本のムチヤギを間にしてさかんに写真を撮りはじめた。二人をそのままにして、こちらはウミウシを探してまわる。
ガイドのチーちゃんが次に見つけたのはウミウサギと呼ばれるタカラガイ。真っ黒な外套膜が割れて真っ白な貝の部分が顔を出している。
ウミウサギを後にしてまた移動する。左手の根の下の方をモンガラカワハギが泳いでいる。入り組んだサンゴの奥を良く見るとコブシメの卵があった。

見上げるとエダサンゴの丘の上に無数の小魚が舞っている。

EN:11:28
EX:12:28
潜水時間:60分
最大深度:-12m
水底水温:23℃

全員がエキジットするとボートは無人島へ向かった。
空はあい変らずどんよりとしていて雲が低い。時折パラパラと雨が落ちてくる。遠くで雷が鳴っている。
島へ上陸して昼食タイムとなった。
朝買っておいた'おにぎり'のパックを取り出し、さっそくパクつく。具はミソに何か混ざったものだった。
あっという間に食べ終わると、ワイフとOさん、それと今朝のクイーンでやって来た女性の3人はスキンを始めた。

「寒くないのかョ」
「ゼッタイやった方が良いって」
「すっごいキレイだよ」

ボートまで3点セットを取りに行くのも面倒なので、元気にスキンを楽しんでいる3人を遠くに見ながら、こちらは玉砂利の上に腰をおろした。

2本目:ウハマ(大浜)

「2本目はウハマです。大きな浜と書いてウ・ハ・マと読みます」
オーナーのブリーフィングが始まった。
「オーバーハングの下でウコンハネガイゆうて光る貝と、スミレヤッコゆう綺麗な魚を見てもらいます」
「さっきと同じで残圧80で教えて下さい」
「集合はアンカーロープの下です」

ブリーフィングが終わって、それぞれエントリーして行く。

-6mで着底したら突然セレモニーが始まった。
今朝クイーンで着いた2人のうちの片方の女性が100本目を迎えたのだった。
オーナー手作りのフラッグを2人で広げて記念撮影。
でも、この記念撮影が大騒ぎ。
緩やかな流れがあるので思うように体を固定するのが難しくって、なかなかうまくフラッグが開けない。
2人してキャーキャー騒いでいる声が聞こえるようだ。その様子を撮影しているチーちゃんの目も笑っている。
このために座間味までやってきて、座間味での良い思い出となったようだ。

記念撮影が何とか終わって、チーちゃんを先頭に移動を開始した。

テーブルサンゴの裏側とかって大抵何か隠れているので、丹念に見てまわっていると中型のハリセンボンと目が合った。
ビデオカメラを固定してジット撮影していると興味が湧いたのかレンズに近づいて来る。
まるで赤ん坊がニコニコしているようなあどけない顔に思わずこちらも目じりが下がってしまう。

顔を上げてあたりを見回すと、皆から置き去りにされかかっていた。あわてて後を追う。

チーちゃんが手招きするので寄ってみると大きなウミウシがいた。
背中にブロッコリーかパセリを乗せているような濃いミドリ色のウミウシだ。
「こっちにもいる」と指差された方を見ると、直ぐ近くに黒い体にオレンジのストライプが鮮やかなイシガキリュウキュウウミウシもいた。こいつもデカイ。
ウミウシは動かないので「にわか」カメラマンのワイフには恰好の被写体だ。
右から左から後ろから前からパシャパシャと撮られて、ウミウシの方もポーズを取るのに大変だ。

ウミウシに別れを告げて、少し進んだ先の岩陰に小さなキリンミノカサゴが揺れていた。
また、その先ではオレンジも鮮やかなセジロクマノミが不安そうにこちらを見ている。
眼下にテーブルサンゴの群生を見ながらマッタリと進んで行くと、やがて目的のオーバーハングのところへ着いた。

ウコンハネガイは何度見ても神秘的な貝だ。
何本もある真っ赤な触手のようなものをゆらゆらさせて、体に沿って稲妻のようにピカピカと閃光を発している姿からはこいつが貝だなんて想像つかない。
それと、この稲妻のような光を写真で表現するのは至難の業だろう。
(興味のある人は下の動画を見て下さい。貝の下の部分が光っているのが分かります)

ウコンハネガイのいた場所から左2,3mの岩の裂け目にスミレヤッコがいたらしい。が、残念ながら見逃してしまった。

EN:14;28
EX:15:35
潜水時間:67分
最大深度:-9m
水底水温:23℃