もはや「ふるさと」になりつつある座間味へ(2000年7月25日)


7月25日 午前7時。今朝は次男の運転でワイフともども羽田まで送ってもらう。
沖縄・座間味へのダイビングも今年で3回目。飛行機を利用してのダイビングにも、もうだいぶ慣れてきて器材のパッキングも割とテキパキとできるようになってきた。

ここで「お役立ち」器材パッキングのミニ講座。
① BCを裏返す。(タンクが直接あたる部分を内側にする)
  こうするとインフレータホースが内側にうまく収まってブラブラしなくて済むのダ。
② ウエットスーツをBCの内側に敷く。この時、ウエットの首の部分をBCの少し上に出します。
③ 敷いたウエットの上にレギュ、ゲージ類を丸めて置く。
  水中写真、ビデオ用のハウジングも同様に置く。
④ ウエットスーツの腕の部分を中央に折り返して、レギュやハウジングを保護する。
⑤ マスクのストラップをレンズの外側に回し、内側にグローブを押し込んでウエットの上に置く。
⑥ ウエットの腰の部分で折り返し、足の部分を伸ばして中に包み込んだものを保護する。
⑦ BCを左右から絞り込み、バックル、ハーネスでウエットスーツ全体を包み込む。
  これでコンパクトにパッキングするための初めの一歩が終わりです。
⑧ ウエットスーツを包み込んだままBCを持ち上げて、器材用バッグに詰める。
⑨ フィンはバッグの底に互い違いにして並べるか、バッグの側面に立てる。
  ブーツはフィンに突っ込む。
⑩ この状態でダイビングに必要な器材はすべて収納されている。しかも自分でもホレボレとするようなコンパクトな仕上がり。

後は器材用バッグの隅がスキスキのハズなので、Tシャツ、短パン、替えの下着類、ビーサン、洗面用具などを詰め込んで出来上がり。なお、帰りは濡れた状態でパッキングする可能性があるので、買い物の時にスーパーでくれる袋をクッション代わりにたくさん詰めておくと超お便利。

余談だが、南の島でのダイビングでは「着替え」はほとんど不要。Tシャツ、短パン、ビーサン姿でず~っと過ごせる。
ただし(高級)ホテルでのステイの場合などは一応長ズボン、襟付きのシャツなどを用意したほうが良い。また、レストランなどによってはクーラーがギンギンに効いている場合があるので軽く羽織(はお)れるような長袖を用意しておこう。
モチロン座間味では不要だが。

今回の座間味ダイビングはツアーのセッティングをすべて「個人」で行った。
往復の飛行機のチケット予約、那覇~座間味間の高速船「クイーンざまみ」の予約、ダイビングサービス「沖縄リゾート」さんの予約、これらのすべてを個人でやったのだ。これまでの2回は「マリオ」という会社の格安パックツアーを利用したのだが、航空券を安く手に入れる方法さえあれば値段はそれほど変わらないし、それより何より「飛行機の時間が自由に決められる」というメリットが大きい。パックツアーだとどうしても早朝、深夜の飛行機になりがちで、飛行場へ行くにも「足」の確保に頭を悩ます。そして、今回は帰りの日にとんでもないドラマが待っていて、「個人での手配」が大きくものを言ったのだが、まだこの時は知る由も無い。

「オィ、悪いけど羽田まで頼むナ」
午前6時半、次男を起こす。
「ン~、わかったぁ」
眠そうな声を聞き流して、器材を車に積み込む。
那覇行きの飛行機は羽田を午前8時30分発のANA便。何をしてるのか、グズグズしているワイフをせかして午前7時に家を出た。首都高横羽線を山下方面へ走り、ベイブリッジを渡って湾岸線を羽田まで快調に走る。ハンドルを持っている次男は運転歴2年、車線変更がチョット怖いがまずまずのハンドルさばきだ。

30分ほどで羽田に到着。すぐにチェックインして出発ロビーへと入ってしまう。
「どこで朝食とろうか?」
と、ロビー内をウロウロして喫茶店のようなマックのような店に入った。

この前は5月連休明けに久米島へ行って来たこともあってか、チョクチョク羽田に来ている感じがする。
「あれっ? ネェ搭乗がはじまってるョ」
見ると搭乗ゲートは既に開いていてゾロゾロと人が移動している。
「搭乗案内、聞こえた?」
「ゼンゼン」
ワイフと間の抜けた会話を交わして我々も搭乗口へと急ぐ。

昔は朝の便は機内食が出たが、今は経費削減なのかコーヒーとキャンディーしか出てこない。そして、機内で「リトル何とか」というネズミを養子に迎えた家族の物語の映画を見ているうちに飛行機は那覇空港に無事に着陸した。

羽田でチェックインの際に預けたダイビング器材を受け取り、ゴロゴロとキャスターの音を響かせて外へ出ると目ざとく1台のタクシーが近寄ってきた。見ると女性ドライバーだ。どうせ泊港までしか乗らないし「ま、いいか」と、そのタクシーに乗り込んだ。
ワイフは那覇空港に降り立った時から「土産物を先に買って宅配で送っておく」と騒いでいたが、タクシーに乗り込むと早速身を乗り出して、
「この辺に酒屋さんはないですか?」
「お土産用に買って宅配で送っちゃいたいンですが…」
と聞いている。
それを聞いて、この女性ドライバーさん、
「じゃ、先ず酒屋さんですネ」
と言って、国道58号から左折して海の方へと路地を入った。しばらくして、タクシーを止めた所が横浜あたりで言う酒類の量販店。沖縄地方の泡盛とか、その他の酒類、お菓子類、雑貨までが平屋建ての倉庫スペースに雑然と置かれている。店内にはモチロン地元の人の姿しかない。
「ム~、安い~」
確かに市価より安いかも知れない。3割引くらいの値段で泡盛を何本かと、沖縄限定のお菓子を買い込むと予定通りカウンターから到着日時指定の宅配便で横浜の自宅宛て発送した。
「頭いいじゃん、これなら荷物にならないしィ」と言うと
「でしょ?」とワイフは少し鼻が高い。
何度か沖縄へ来ているうちに大分「学習」したようだ。これから沖縄へ来た時は間違いなくこの店を利用することになるだろう。

「いや~、お蔭様で良い買い物ができました」
などと、女性ドライバーさんと世間話をしているうちにタクシーは那覇~座間味間の高速船「クイーンざまみ」が出る泊港北岸に到着。

待合室近くの(ちょっと無愛想な)中華料理屋さんで五目チャーハンのお昼を摂り、午後1時30分発の「クイーンざまみ」に乗り込む。
高速船は定刻どおり出航、座間味へ向かって走り始めた。